ふるさと納税 変わる 返礼品競争→事業への寄付

ふるさと納税

変わる 返礼品競争→事業への寄付

 ふるさと納税の返礼品競争が過熱し総務省が2017年春、高額品の見直しなどを通知した影響で寄付額が減る自治体が出る中、寄付を特定の事業に充て地域活性化に生かす取り組みが広がっている。「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)と呼ばれ、企業などがインターネットで事業資金を集める「クラウドファンディング」の行政版。専用サイトで寄付を募る事業が急増し17年に100件を超えた。【西嶋正法、高芝菜穂子】

 「どんな境遇の子どもたちも見捨てない!」。親の困窮や養育困難などにより支援が必要な子供たちの居場所づくりのため佐賀県で実施されている「さが・こども未来応援プロジェクト」事業。その18年度の資金集めにGCFが利用されており、寄付を呼びかけるサイトには目を引くキャッチコピーが掲げられている。

 事業主体は公益財団法人・佐賀未来創造基金で、県がGCFの窓口となっている。目標金額は1000万円だが、受け付け開始からわずか1カ月半で全国から約1500万円(1月5日時点)が集まった。寄付金は、子ども食堂などの子供の居場所づくりに取り組む市民団体などの18年度の活動資金に充てられる。佐賀県産の米や肉、教材などの返礼品を子供に寄付することもでき、大半は寄付するコースが選ばれている。

 佐賀市内で「佐賀こども食堂」を運営する宮崎知幸さん(35)は「食堂を長く続けていくには資金面での安定が不可欠。寄付金は本当にありがたい」と話す。担当の佐賀県県民協働課は「NPOへの助成に予算の制約があるがGCF活用で財政負担が軽減される」とメリットを指摘する。

 専用サイトを運営する「トラストバンク」(東京)によると、GCFを活用した事業数は13年1件▽14年6件▽15年28件▽16年66件--と増加し、17年は112件。同年4月の総務省通知以降、急増しているという。これまでに、熊本地震からの復興を祈念した全国花火競技大会(熊本県八代市)などが実現している。

総務省通知の影響

 総務省通知で寄付額に対する返礼品の額(返礼割合)を3割以下に見直すよう求められたことなどを受け、一部の自治体で寄付が減少している。

 16年度に約20億1000万円を集めた福岡県久留米市は17年10月から、返礼品で圧倒的に人気だった自転車をやめた。ブリヂストンの創業地をPRする目的だったが、資産性が高いとして見直すよう総務省から指摘された。全体の返礼割合も4~5割から3割以下に見直し、10、11月の寄付額は前年同期の2~3割に。東京都のアンテナショップ「福岡久留米館」で返礼品の試食会を開くなどPRに懸命だ。宮崎牛などの返礼品が人気で16年度に全国一の約73億3000万円を集めた宮崎県都城市も苦戦している。通知に従い6月から返礼割合を5~6割から3割以下にしたところ、6~8月の寄付は前年同期の3分の1程度に落ち込んだ。

 神戸大大学院の保田隆明准教授(経営学)は「返礼品も地域事業の育成効果があり一概に批判できないが、GCFは税金の使い道に対して国民の感度を上げ、志のある自治体やNPOに金が届くメリットがある。ただし、ユニークな事業に寄付金が集まりやすく、地域の課題解決につながるのかが問われる」としている。

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